スタディサプリや映像予備校に「向いている・向いていない」の違い
部活で忙しいから、自分のペースで進められる映像授業にしたい
スタディサプリなら手軽だし、とりあえずやらせてみようかな
このような理由で映像授業を検討される方は多くいらっしゃいます。東進ハイスクールや河合塾マナビスといった映像授業予備校をはじめ、スマートフォンで手軽に見られるスタディサプリなど、今や「映像授業」は中高生の学習において欠かせない選択肢の一つとなりました。
私が受験生だった頃は、ちょうどDVDやビデオを利用した映像授業が出始めていた時代でしたが、当時と比べても今の映像授業の「手軽さ」と「圧倒的なわかりやすさ」は目を見張るものがあります。全国トップクラスの高品質な講師の授業を、地方にいても、スキマ時間でも受けられるのは本当に素晴らしいメリットです。
しかし、「誰にでも映像授業をおすすめできるか?」と聞かれれば、答えは「NO」です。
今回は、手軽で便利な映像授業だからこそ陥りやすい「罠」と、映像授業で成績が爆発的に上がる子・失敗してしまう子の決定的な違いについてお話しします。
最大の罠は勉強した気になること
映像授業の最大の魅力は、先述した通り「カリスマ講師による圧倒的にわかりやすい解説」です。しかし、その「わかりやすさ」と「手軽さ」が、裏を返せば最大の弱点にもつながります。
それは、「画面を見ているだけで、勉強した気になってしまう」という現象です。
教室での対面授業であれば、先生の目があり、突然指名されて答えを求められる適度な緊張感があります。しかし映像授業の場合、画面の前でぼんやり眺めているだけでも、聞き流しているだけでも、授業はどんどん先へ進んでしまいます。
「なるほど、そういうことか!」と解説を聞いて納得すること(=わかる)と、テスト本番で何も見ずに自力で解いて得点すること(=できる)の間には、非常に大きな壁があります。その壁を越えるためには、授業後に自分の頭で考え、手を動かして問題を解き直す「地道な復習」が不可欠です。
しかし、映像授業においてその復習をやるかどうかは、本人の「自主性」に委ねられてしまっているのです。
「確認テストがあるから大丈夫」の落とし穴
「通っている映像授業の予備校は、毎回授業後に確認テストがあるから大丈夫では?」と思われるかもしれません。
もちろん、確認テストの存在は素晴らしい仕組みです。しかし、落とし穴もあります。授業が終わってすぐ、記憶が鮮明な状態(短期記憶)で解くテストは、「実力がついたから解けた」のではなく、「さっき聞いたばかりだから、たまたま解けただけ」というケースがあるのです。
また、生徒数が多い教室では、テスト後のチェックやフォローがずさんになり、システムが形骸化してしまうことも少なくありません。テストに合格することが目的になり、数日後にはすっかり忘れてしまっている……これでは本末転倒です。
映像授業で「伸びる子」と「失敗する子」
こうした映像授業ならではの特性を踏まえると、向いている子と向いていない子の特徴ははっきりと分かれます。
映像授業が「向いていない子」
- 言われないと復習をやらない子
- 「ただ授業を見終わること」が目的になっている子
- わからないところがあっても、自分から質問に行けない子
つまり、学習に対する向学心や目的意識が薄い子は映像授業には向きません。。
このようなタイプのお子さんが映像授業を利用すると、知識が定着しないまま時間とお金だけが消費され、正直なところおすすめはできません。伴走してペースメイクをしてくれる個別指導や学習管理型の学習塾、緊張感のある集団授業の方が向いているでしょう。
映像授業が「向いている子」
- 自学自習の習慣が身についている子
- 「この単元を克服するぞ」という目的意識を持って視聴できる子
- わからない箇所は一時停止して考えたり、後で先生に質問できる子
このような、主体的に学習に取り組める「自立した生徒」にとって、映像授業は最強のツールになります。自分のペースでどんどん先取り学習を進めたり、苦手な部分だけをピンポイントで何度も見直したりできるため、爆発的に成績を上げる大きなきっかけになります。
まとめ:タイプに合わせて選ぼう
映像授業はメリットがありますが、魔法の杖ではありません。あくまで成績を上げるための「質の高いツール(道具)」の一つです。どんなに優れた道具でも、使う人の意識や姿勢次第で、得られる結果は変わってしまいます。
もしこれから映像授業の利用を検討されている、あるいは現在利用していて成績が伸び悩んでいる場合は、「うちの子は、映像授業をツールとして使いこなせるタイプだろうか?」という視点で、ぜひ一度お子さんの学習姿勢を見直してみてください。
「まずは自分で復習できる力をつけるのが先決だ」と感じた場合は、手厚いフォローが受けられる学習環境からスタートするのも、決して遠回りではありません。