後悔しない志望校の選び方|偏差値だけに頼らない受験校の決め方
高校受験の「志望校選び」は、なぜこんなにも難しい?
高校受験の大きな山場のひとつが、志望校の決定です。選ぶ基準でよく聞かれるのはこんなところでしょうか。
「偏差値が高いから」「家から近いから」「進学実績がいいから」
どれも間違っていないようで、どこかモヤモヤする。
偏差値だけでは測れない学校の“本当の姿”や、 お子さんに合う学校を見つけることは、簡単ではありません。
だからこそ、この記事では
- 偏差値以外で見ておきたい“志望校選びの軸”
- 保護者として意識しておきたい視点
- 情報収集の具体的な手段
を、具体的かつ実践的に解説していきます。
偏差値はあくまで“目安”。志望校選びに必要な“5つの視点”
偏差値やそれに付随する判定はあくまで受験における「現状の位置」や「合格可能性」の目安です。
では、志望校選びでは何を見ればいいのか? 以下の5つのポイントがカギと個人的には思います。
1. 校風・雰囲気
校則の厳しさ、自由度、服装の指定、行事の雰囲気など、 「その学校らしさ」を示す部分。生徒がのびのび過ごしているか?楽しそうに見えるか。
また、ここまでチェックするのは大変ですが、「登下校時の様子」を数回確認するのも非常におすすめです。
毎日電車やバス、自転車での通学の様子(喋っていて楽しそうに見える子が多いのか、イキイキして見えるか)、登下校中に小テストの勉強や宿題をやっている生徒がどれぐらいいるのかなど普段の様子を見ることも大切です。お子さんがその様子に馴染むイメージが湧くのであれば行って間違いだったと感じる可能性は低いです。
2. 通学距離と通学手段
毎日のことだからこそ、この点は要チェックです。 片道1時間を超える通学や乗り換えが2回3回ある通学が3年間続くと、生活リズムや体力にも影響します。
3. 部活動・学校生活
打ち込める部活ややりたい部活があるか? 強豪校かどうかだけではなく、 部活動の雰囲気や両立しやすさ(週の活動回数や時間)なども見ておくとよいでしょう。
検討している部活が盛んな場合は、勉強やほかの課外活動に取り組む時間や体力がなくなることもあります。大学進学を志す場合は特に大切な視点になってきます。
例えば、毎週6回の活動で平日は19時過ぎまで練習で朝練あり、土日祝日は遠征や試合という野球部に入った場合、勉強時間を取ることはおそらくかなり難しいでしょう。毎日登下校や昼休みなどの隙間時間をかき集めてなんとか1時間確保できるかどうかなはずです。
4. 進学実績・就職実績
どんな企業や自治体職員への就職実績があるのか。大学や専門学校への進学率や実績、指定校推薦の枠などを確認しておきましょう。 「どういった進路を選択する生徒が多いのか」現実を見ておくことも重要です。手前味噌ですが、ゴーパスのコラムで「進学実績の闇」というシリーズを執筆しておりますのでよければそちらをご一読ください。
学校説明会や見学会でここまで聞くことの出来る学校は少ないかもしれませんが、指定校推薦の枠だけでなく、「評定平均がどのくらいの生徒が今までその大学の枠を勝ち取れたのか」、校内順位が何位ぐらいまでの生徒が関関同立に一般選抜で合格したのかなど細かく把握出来ると安心です。
また、各高校の合格実績は重複してカウントされていることが多いことにも気をつける必要があります。例えば、同志社大学10名と書かれていても内情は3人で10回の合格を勝ち取っている可能性もあります。10人合格しているわけではないことを考慮してデータを見るようにしましょう。
5. 授業・カリキュラム
習熟度別授業の有無、補習やサポート体制、定期テストの難易度など。 学習面での不安が少ない学校かどうかを見極めましょう。
学校説明会・見学で見るべき“チェックポイント”
「パンフレットではよく見えたけど、実際に行ってみたらイメージが違った」 という声を耳にします。
そこで、学校説明会や見学の際に見ておきたいポイントを紹介します。
- 生徒の雰囲気(あいさつ、表情、授業態度)
- 授業風景や教室・施設の使い方
- 先生の話し方や指導スタンス
- 在校生のリアルな声(質問できる場があれば積極的に)
- 3年間通う姿をリアルに想像できるか
お子様が五感で感じる「この学校、なんか好きかも」という直感も大切です。
いつまでに決める?志望校の絞り込みタイミング
志望校の最終決定は、中3の12月〜1月が多いです。
しかし、「仮の第一志望」はもっと早く決めておくのがおすすめです。
なぜなら、“目指す場所”があるからこそモチベーションがうまれるためです。
「仮でもいい。とりあえずここを目指す!」
そんな学校を夏までに1つ決めておくと、受験勉強にメリハリがつきます!
親ができる“進路サポート”とは?
志望校選びは、本人の希望が優先されるべきです。 しかし、保護者だからこそ見える視点・できるサポートもあります。
- 選択肢を広げるための情報収集
- 通学手段や費用など現実的な条件の確認
- メンタル面のサポート(迷っているときの声かけ)
「親の意見を押し付ける」のではなく、 「子ども主体で親と一緒に進路を考える」のがおすすめです!
まとめ|偏差値だけでは見えない“本当に合う高校”を見つけよう
- 偏差値だけで決めると、入学後に「合わない」と後悔する可能性も
- 学校の雰囲気や通いやすさ、部活・進路など多面的にチェック
- 仮でもいいから、早めに「目指す高校」を決めて勉強に弾みをつける
人生の中でも大きな選択のひとつとなる高校受験。特に中学受験を経験していない中学3年生にとっては初めて迎える人生の岐路です。だからこそ、多くの情報と視点をもって、 「本当に合う学校選び」をしていきましょう!