素直さは最強の才能|「聞く力」がない人は、なぜ勉強でも伸びないのか?
「素直な人は伸びるよ」
どこかで聞いたことがあるかもしれません。
でも、この言葉の本当の意味を、どれだけの人が理解しているでしょうか?
「勉強ができる子は、地頭がいいから」
「偏差値の高い高校に行けるのは、才能のある人だけ」
確かに、それも一理あります。間違っているとは思いません。
でも私たちが塾で日々生徒を見ていて感じるのは、“本当に伸びる生徒”は、例外なく「素直さ」を持っているということ。
勉強においても、人生においても。
最も重要な才能のひとつは、「聞く力」=素直さだと断言できます。
「コーチできない人」は、変われない
伝説のビジネスコーチ、ビル・キャンベル。
アップルやグーグルの創業者を陰で支えた“世界一のコーチ”は、こう言っています。
「利口ぶるやつは、コーチできない」
彼が求めたのは、技術でも知識でもなく、“素直さ”と“謙虚さ”でした。
どれだけ優秀そうでも、「でも、それって…」と口答えする人には、指導すらしなかったのです。
これは、塾でもまったく同じことが起こっています。
指導しても、変わらない子の共通点
塾に来て、アドバイスをしても、まったく変わらない。
「これをやろうね」「この方法を試してみよう」と伝えても、結局行動に移らない。
そんな子どもをこれまで数え切れないほど見てきました。
理由を聞いてみると、決まって返ってくるのがこの言葉のいずれか。
- 「時間がない」
- 「わからない」
- 「忘れてた」
- 「やりたくなかった」
- 「面倒くさい」
- 「自分には自分のやり方がある」
まるで、“やらない理由を探す名人”です。
この姿勢の根っこにあるのは、「自分は変わらなくても大丈夫」という傲慢さ。
謙虚そうに見えて、聞き分けがよく見えるけど実は人の意見をまったく聞いていない。
これが、伸びない子の典型です。
素直な子が、最短で結果を出す理由
一方で、こちらが伝えたことをすぐにやってみる子がいます。
「ほんまにそれでいいの?」と疑いながらでも、とりあえずやってみる。
そして、その中から「なるほど、こういうことか」と自分で気づいていく。
この“とりあえず素直にやってみる力”こそ、成績を伸ばす最強の武器です。
- 勉強のやり方を吸収するスピードが速い
- アドバイスの意味を実感しながら学べる
- すぐ行動に移すから、結果が出やすい
- 周りからの評価が上がり好かれるからもっとアドバイスをもらえる
これが、「素直な子が強い」と言われる理由です。
「でも」「だって」は、一生伸びない呪文
「でも、それは自分には合わないと思うんです」
「だって、前にそれで失敗したから…」
こうした“でも・だって言い訳”を繰り返している人は、どれだけ塾に通っても、家庭教師と契約しても変わりません。
なぜなら、“言い訳”を通して、変わらない自分を守っているからです。
勉強ができるかどうか以前に、“変われる自分”であるかどうかが、すべてのスタート地点。
「先生の言うこと、ちょっと試してみようかな」
そんな一歩が、圧倒的な差を生みます。
指導を受け入れる姿勢は、生きる力そのもの
中学生・高校生の今、「素直さ」を持っておくことは、勉強に限らず、人生を変える力になります。
学校でも、部活でも、社会に出てからでも──
結局のところ、人から学べる人間だけが、生き残ります。
- 上司からの指摘に「なるほど」と思えるか
- 同僚のアドバイスを「ありがとう」と受け取れるか
- 自分の間違いを「ごめん」と認められるか
この違いが、数年後の仕事の結果、人生の満足度、周囲からの信頼…
すべてに現れてきます。
まとめ:成績を伸ばす前に、“素直な人間力”を育てよう
成績が伸びるのは、「素直に聞いて、すぐやってみる人」。
- 自分の限界を決めつけず、アドバイスを受け入れる
- 間違いや指摘を、“否定”ではなく“成長のヒント”ととらえる
- 自分はまだまだできる、と思って動ける
これこそが、受験勉強でもっとも価値のある資質です。
そしてそれは、社会に出てからも、一生通用する「学ぶ力」そのものです。
「素直さは才能」──
これは、成績の良し悪しよりもよっぽど重要な、“人生を動かす力”だと、私たちは信じています。