自分にしか書けない志望理由書の書き方|差がつく自己分析術
自分にしか書けない志望理由書を作るために
「どこの大学でもいい」「学びたいことは何となく決めた」そんな“ふわっとした志望理由書”は、一瞬で見抜かれます。
書いている本人がどれだけ本気でも、伝わらないものは伝わりません。
志望理由書で最も大事なのは、“熱意”ではなく“文脈”です。
あなたがその大学にたどり着くまでの「ストーリー」。それがなければ、どれだけ文章を整えても意味はありません。
ありきたりな内容で終わらないために
志望理由書は、単なる「願望」や「希望」を述べる場ではありません。
「この大学で学びたい」「この分野に興味がある」といった漠然とした表現では、他の受験生との差別化は難しいです。
重要なのは、あなた自身の過去の経験や価値観、将来の目標と、志望する大学・学部との「接点」を明確にすることです。
例えば、
- 高校時代に取り組んだ課外活動やボランティア経験
- 特定の分野に興味を持つきっかけとなった出来事
- 将来の職業や社会貢献に対するビジョン
これらを具体的に掘り下げ、志望する大学での学びがどのようにそれらと結びつくのかを示すことで、説得力のある志望理由書が完成します。
ここで大切なのは「自分のエピソードを語ること」ではなく、「その経験がどのように現在の志望に繋がっているか」を語ることです。
たとえば「小さいころからお菓子作りが好きだったから栄養学科に行きたい」と書くのはただの過去語りです。 そこに、「高齢者施設での食事ボランティアに参加した経験がきっかけで、高齢者の栄養管理の重要性を知り、栄養学を専門的に学びたいと考えた」と書けば、大学での学びと明確に繋がります。
「なんとなくその大学」は一瞬でバレる
大学の入試担当者は、多くの志望理由書を読んでいます。その中で、表面的な理由や一般的な表現はすぐに見抜かれます。
「キャンパスの雰囲気が良い」「就職率が高い」といった理由だけでは、あなたの本当の意図や熱意は伝わりません。
では、どのような視点が必要か?
- なぜその大学でなければならないのか
- その大学のどのようなカリキュラムや教授陣に魅力を感じているのか
- そこでの学びが、自分の将来にどう結びつくのか
これらを具体的に調べ、言語化することが求められます。
たとえば、学部パンフレットやWebサイトにある講義内容、研究プロジェクト、ゼミ活動などを調べて、「このゼミのテーマが自分の関心分野と完全に一致していた」など、ピンポイントで示せると強いです。
また、オープンキャンパスや大学説明会に参加した際の感想を、具体的に盛り込むことも有効です。「実際に〇〇大学を訪れた際、在学生の雰囲気やプレゼンテーションの姿勢に刺激を受け、この環境で学びたいと強く感じた」などの記述は、体験に基づいたリアルな内容として信頼性が増します。
自分の過去・価値観・経験から“文脈”をつくれ
志望理由書の核心は、あなた自身の「ストーリー」です。
過去の経験や出来事を振り返り、それらがどのようにあなたの価値観や興味を形成してきたのかを明確にしましょう。
例えば、
- 中学生の頃に参加した科学実験教室での体験が、理系分野への興味を深めた
- 家族の介護経験から、福祉や医療分野での貢献を志すようになった
- 海外旅行での異文化交流が、国際関係学への関心を高めた
これらのエピソードを通じて、あなたがどのような人間であり、どのような目標を持っているのかを伝えることが重要です。
自分のストーリーを作るうえで役立つのが「過去・現在・未来」の時間軸で考えることです。
【過去】どんな経験をしてきたか(原体験) 【現在】なぜその大学・学部を選ぶのか(動機) 【未来】将来どうなりたいのか(展望)
この3つの要素を一本の線でつなげることで、あなたにしか書けない説得力のある志望理由書が出来上がります。
「あなたにしか書けない理由」が合否を決める
最終的に、志望理由書で合否を分けるのは、「あなたにしか書けない理由」があるかどうかです。
他の受験生と同じような内容では、印象に残ることは難しいでしょう。
自分自身の経験や価値観を深く掘り下げ、それを志望する大学の特徴や理念と結びつけることで、独自性のある志望理由書が完成します。
また、大学のアドミッションポリシーを理解し、それに沿った内容を盛り込むことも重要です。
たとえば「自律的に学ぶ姿勢を重視する」と明記されていれば、「高校時代に自主的に調査レポートを作成し、学校新聞に掲載された」などの具体例を入れることで、大学の求める人物像と自分が合致していることを示すことができます。
まとめ|“熱意”よりも“文脈”で差がつく
志望理由書は、単なる作文ではありません。
あなた自身の過去、現在、未来を繋ぐ「ストーリー」を伝える場です。
自己分析を深め、志望する大学や学部との接点を明確にし、「あなたにしか書けない理由」を見つけ出しましょう。
その努力が、合格への一歩となるはずです。